永井恒司先生のメッセージ

このたび、薬剤学会誌「薬剤学」に掲載していただいた拙文日本学術会議薬学委員会分科会の提言「薬剤師の職能将来像と社会貢献」について 国際的観点からの意見″のPDFファイルを作成していただいたので配布させていただきます。

主要国G8の中で日本は唯一の「医師の調剤」容認国です(ロシアを含めずG7と呼ぶ場合がありますが、モスクワの薬剤師会会長に彼地には「医師の調 剤」はないことを確認しましたのでG8と数えます)。他の多くの先進国でも「医師の調剤」はなく、国際的に医師が調剤しないが当たり前″なのに、日本 はこの当たり前″が通用しないで、とても第一級の先進国とは言えない実に恥ずかしい国です。アジアでは韓国が2000年に「医師の調剤」の撤廃を達 成し、医療体系先進国になりました。日本がこれを見倣って具合が悪い理由があるでしょうか。

このような日本の薬学の国辱的状況について、いち早く是正すべく提言されるのが、日本学術会議薬学委員会の役割と思われますが、当該委員会分科 会の提言「薬剤師の職能将来像と社会貢献」では、まさに薬剤師の職能将来像と社会貢献″の最も重要かつ根本的課題である「医師の調剤」か らの離脱"については避けて通り、言わば砂上の楼閣″を築いている感があります。「医師が居れば要らない」薬剤師に、輝かしい職能将来像と社会 貢献″を期待できるでしょうか。

日本薬剤学会は、去る平成26年2月17日付けで、当該委員会分科会の提言内容の批判ではなく、「医師の調剤」からの離脱を避けて通らず、最優先 に考えてこそ、世界に通用する薬学″として存在し得ることを指摘申し上げました。それに的中した返答はいただいておりませんので、このたびは、私の 個人的見解として、再度真摯に考えていただくべく、薬剤学会誌「薬剤学」編集委員会より、その機会をいただきました。

日本が、主要国G8の中で唯一の「医師の調剤」容認国であることについて欧米人に話すと、殆どがまさか日本が″と驚きます。それは、第一級の先進 国となった日本でそのようなことは考えられないからだと言います。あたかも先般日本の首都東京の議会に於ける女性蔑視のヤジ事件が知れ渡って、全世 界にまさか日本が″と衝撃をもたらしたのと同じ現象と言えます。日本学術会議は日本の頭脳であり、その薬学委員会がG8の中で日本が唯一の 「医師の調剤」容認国"という、人類の英知に反する認識をお持ちであることに疑問を抱くところから、寄稿させていただきました。

  日本学術会議薬学委員会分科会の提言「薬剤師の職能将来像と社会貢献」について国際的観点からの意見 PDFにリンク

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