「医療ZDと完全分業」フォーカスグループ(FG)へのメッセージ

医療ZDと完全分業FGについて

医薬完全分業は、過失または故意による医薬品適用上の過誤を完全ゼロ (Zero defect, ZD) に達せしめ患者を 護るため、医師の処方を監査する薬剤師の存在により成立する。この薬剤師の役割は、医師には務められないのが 大原則である。この完全分業の原理に、わが国では薬学教育担当者・医師・薬剤師・行政担当者・一般市民等 いずれも無理解であるが故に、先進国で極めて稀な「医師の調剤」容認国である。本FGはこのための啓発活動を 行う。また。医療サイドからの臨床情報を発信するとともに,大学・製薬企業から院内製剤などへの技術指導を行 い,市販化に向けた共同研究への展開を視野にした議論の場を提供する。

医療ZDと完全分業」FG各位

医薬分業に関連する議論が高まってきて、言わば「医薬分業」バッシングの感があります。しかし、殆どが、"真の医 薬分業"の議論ではなく、医療における利便性・収益性に着目した議論であります。本FGは、"真の医薬分業"は 国民の生命と健康をまもるためにあり、この有史以来否定された例はなく連綿とつづいてきている"文明の利器"の公 知・啓発に努め、日本を文化国家として恥ずかしくないレベルに押し上げる努力をします。特定の人物を誹謗中傷し たり、敵対することなく、国際普遍の真実について発言してゆきます。

下記文書は、既に発信した文書ですが、FGメンバーの皆さんのメールアドレスが確認できましたので再配信します。 特に下記文書の"記"をもとに活躍お願いします。

代表 永井恒司

飯島先生:

このたび、貴社ニュースメディアに掲載された下記の「医薬分業報道を巡るマスコミの誤報について」の記事を拝見して、 医薬分業の議論が活発になってきたことを痛感し、大変喜ばしく思ってります。公益社団法人日本薬剤学会「医療Z Dと完全分業」フォーカスグループ(FG)もその討論の輪に加えていただきたくお願いいたします。国際的には、薬剤師 免許を使う薬剤師だけがが薬剤師であるという概念はなく、薬剤師免許所持者全てが薬剤師であります。よろしくお 願いします。

本学会は、国際普遍の"真の医薬分業"とは何か、の議論を続けておりまして、去る5月22日に長崎で開催された本 学会創立30周年記念年会での「医療ZDと完全分業」FGの討論をまとめたもの(当日の討論のみでなく、従来行っ てきた部分を含め)を、5月22日の塩崎厚生労働大臣の医薬分業について言及された内容に関連して、5月25日に 貴社メディアに投稿し掲載していただいだきました。全文を添付しますので、「医薬分業報道を巡るマスコミの誤報に ついて」の記事の関係者におかれまして、これをご一読の上参考にしていただけたら幸いであります。以下にその要点 を記させていただきます。どのようなご意見でも、ありがたく拝聴しますので、遠慮無くお寄下さい。

@ 真の医薬分業は、「医師が処方し薬剤師が調剤する」、つまり"医師は調剤しない"ことである。

A 薬剤師の調剤の主務は、「処方監査」であり、患者の安全を護る。医師は被監査人であり、監査人の薬剤師 の役を兼務することはできない。

B 公正完全な「処方監査」の裏付けとして、薬剤師Ethicsが生まれ育つ。

上記@,A及びBが、真の医薬分業の3必須条件であります。日本では、これら何れも欠落しており、国際普遍の 医薬分業は成立していません。この事情は主要国G7(ロシアを含めればG8)の中で日本が唯一であり、他の先進 国にも見当たりません。韓国は2000年に達成しております。

敬具

公益社団法人日本薬剤学会「医療ZDと完全分業」FG代表

永井恒司 (2015.6.2記)

Subject: 医薬分業報道を巡るマスコミの誤報について

記事 " 三田次郎" 2015年05月13日 21:59

医薬分業報道を巡るマスコミの誤報について

あまりどこにも指摘がないので、書いておくが、医薬分業の規制緩和を巡る報道が混乱している。理由はハッキリ している。医薬分業の規制緩和と医薬分業の見直しは別物だが、これを混同してしまっているからだ。もちろん、 いま議論されているのは前者であって、後者ではない。規制緩和の公開討論が行われた3月に報道が相次いだ が、いずれも酷い有様で、見出しだけ見ても、

「医薬分業」見直し検討で公開討論会(TBSニュース、12日)

患者の不便解消へ「医薬分業」見直し論相次ぐ(産経ニュース、12日)

「医薬分業」見直しに向けて議論(テレビ東京、13日)

政治的にアンタッチャブルだった「おかしな医薬分業」の実態が議論の対象に(現代ビジネス、13日) 規制改革推進室の提出資料のイントロダクションにものってあるように、議論にされているのは、「国民にとってより メリットのある医薬分業の在り方」であって、医薬分業の是非を巡るテーマではない。

ん? 何それ、一緒ジャンよ。という声が聞こえてきそうだが、違うんですよ、これが。全然。以下、順を追って説明。

処方薬の交付のやり方には現状、2種類ある。

@院内での交付

A院外(調剤薬局)での交付

これに、いま議論されているのは3種類目

B病院の敷地内に入った調剤薬局による交付

「医薬分業の見直し」なら、@かAかの選択での問題になるが、そうではない。

今、議論されているのは「医薬分業の規制の見直し」なので、問題の焦点はBを認めるかどうか、にある。

「現代ビジネス」の記者が書くように、Aから@に移行するのなら、調剤薬局のフィーが削られるのでコストが半分 以下になるかも、という議論が成立するが、俎上に上がっているのは「医薬分業の規制の見直し」なので、Bが認 められたところでそういった議論は成り立たない。

じゃあ、なんでAから@へ移行するという議論になんねーの、という問いが出てくるが、そりゃ、病院(医者)の都合 でしょうね。実は病院(医者)としては現状では@にしておくメリットがない。Aにするメリットとしては、

・院外処方箋料の加算がとれる。

・医薬品購入資金が少なくてすむ。

・人件費が安くあげられる。

・事務量、労働量が減る。(マンパワーをほかにまわせる。)

・スペース、在庫が節約できる。

・処方薬選択の自由度が高くなる。(自院の在庫で処方を調整しなくてもよい。)

薬価差益が消費税分を考慮するとほとんどない状態で、院内で処方をきるメリットは病院側にはほとんどない。

しかし、今議論されている調剤薬局を埋め込む方式だと、上述のメリットを確保したまま、調剤薬局の選択権を 獲得できるので(むろん、リベート、キックバックなどは言わずもがな)、こりゃええわい、というわけです。 とはいえ、今や調剤薬局の方が資金力のあるケースもあるので、特に新規案件などでは、建築事務所・建設会 社の資本の入った薬局がクリニックを誘致して利益を還流させるという手口も珍しくない。

(現状では規制に引っかかりそうだが、案外厳しくはない。)

こういった病院=薬局一体型の経営は医薬分業の理念に反するので、マズいでしょ、それだったら、分業された 薬局の機能を強化してサービスの質を充実させる方向で行きましょうよ、というのが規制緩和反対派の言い分 だが、何を間違ったのか、一般的な知見として@院内調剤(薬剤師いらね)対A院外調剤(薬剤師いる)のよ うな構図になっているのは、マスコミがよくわかっていないのだか、確信犯なのだか。それに規制緩和反対派の路 線でも別方面からコストカットは可能なのだが、そういった声はほとんどマスコミには出ない。

具体的には、諸外国では当たり前に行われているリフィル処方(同じ処方箋の使い回し)の導入やスイッチOT Cの拡大といった手段で、4/16には規制改革会議の健康・医療ワーキンググループがこれらの政策についての 検討を提案している。(薬事日報ヘッドラインニュース4/20)

こういった処方権の拡散やセルフメディケーションの促進といった政策は、病院(医者)の受診回数を減らし、利 益幅を小さくする。医療業界の代表者、発言者である病院(医者)がこういった政策に声をひそめる→マスコミ には取り上げられない、という図式はわからないではないが、こういった政策の可能性を黒塗りするため、意図 的に@とAの対決構図という誤ったショーケースを彼らが作っているとしたら、これは壮大な詐欺であり、罪は深 い。

蛇足

こういった医療を巡るテーマでは、「患者中心の医療」というフレーズが頻繁に出てくるが、まず「患者」が一枚岩 ではないところから議論を始めなければならないと思う。寝たきりや管理のおぼつかないお年寄りとスマホを使い 倒す若者では受けるべきサービスの質が違ってくる。個人的には薬局を通さないメールオーダー処方(処方箋を メールオーダー会社に流し、会社から直接自宅に郵送される)もありだと思うが、選択権の拡大は選択権を選 べない弱者に結局しわ寄せがくることになるので、慎重な検討が求められるでしょう。既存マスコミに比べてCB オンラインやミクスオンラインといった専門家筋の書いた記事はさすがに混乱はない。検討された課題、病院内 薬局の是非と院外・院内処方のコスト差の議論はキッチリ別建てで書かれてある。

記事 " 赤松正雄" 2015年05月13日 09:48

薬剤師という職業の誇りと由来を謎解きのごとく

薬というと誰にも、それこそ苦い思いをしたり、晴れやかな気分にさせられたり、といっぱいの思い出があろう。つい 最近のこと。私は酒を飲む席で、歯痛がどうしようもなく酷くなった。つい痛み止めの薬をビールや酒、焼酎など ガンガン呑んでる最中に一錠だけど飲んだ。この後どうなったか。いやはや、思い出すだに辛い。就寝前に歯を 磨いた途端、つまり薬を飲んでから5時間後くらいだったろうか、口の中が唇から舌までちょうど歯の治療時に麻 酔を打たれたと全く同様にしびれだしたのだ。そして約30秒後歩くことも出来ぬほどの酩酊状態が起きた。以来 二日間に亘って断続的に同じような症状が起こり、徒歩もままならず、会議の最中に意識がもうろうとなるなど 大変な思いをする羽目になった。医師に問診を受けても直ちに原因などは分からない。めまいの薬をいただい て呑んでも全く効かない。脳梗塞ではないか、耳に異常があってのことではないかとなって、CTやMRIなどを撮 って調べたが、特に異常はなし。結果は酒のせいということになり、やがて自然治癒した。

▼こんな極端な例とは正反対にそれまでの苦痛からウソのように解放されたことも勿論多々ある。しかし、大筋 は、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」ならぬ、"効くもくすり、効かぬも薬"というところかもしれないというと、薬 剤師さんに怒られようか。私の周りには薬剤師出身の元衆議院議員や元神戸市議会議長らの友人、知人 が少なくない。その筆頭でもいうべきひとがこのたびすごい本を出した。山本章『医師が薬を売っていた国 日 本』という名の本である。これは日本における医薬分業の歴史を、きわめて分かりやすくかつ専門家の批判に も十分に応え得るように解説した画期的な書物だ。本人は薬剤師学徒や薬局関係者に読んでほしいと言 っているが、これは薬を飲んだことのある人がみな読むべき本であると心底から思う。というのは、なぜ医薬分 業が日本でかくほどまでに遅れて実現をみたのかが、あたかも推理小説を読んでいるかのように引き込まれつ つ分かる仕掛けになっているからだ。謎解きをするべく著者はそれこそ時空を超えた旅に出るが、これがすこ ぶる楽しい。スイス・サンセルグから始まりフリードリッヒ二世の十字軍遠征につき合わせられる外遊はさなが ら歴史散歩だ。また、日本全国の薬剤師の先達たちの足跡を追う旅は知られざる逸品の苦労話の連続で、 目からうろこならぬ、近眼にコンタクトの趣きである。しかも適時、落語からの落し噺が出てきたり、「徒然草」 からの兼好法師の言葉が顔を出し、おまけにご自分の自作短歌まで幾つか披露されておるのが、程よい癒し になる。

▼この人は兵庫県は姫路市の1945年生まれ。これは、言わないと分からないかもしれないが、私と同郷同年 だ。かの直木賞作家の車谷長吉と自分は一緒だといわれるが、私の場合は大学まで同じ(これって別に張り 合っているわけではない。念のため)。幼いころに両親を共に肺結核で亡くし養父母に育てられ、ご自身も若 くして同病に罹り、落第を経験するなど辛酸をなめる苦労を重ねたすえに、京都大学薬学部に進み、のち に旧厚生省に就職。最終的には麻薬課長を経て製薬会社に天下るという薬と縁の深い人生を送ってきた。 70歳を迎える本年、まさに薬に関する蘊蓄と蓄積の思いのたけを精密に並べたのがこの書である。私と彼と は、これまで政治家と高級官僚という関係を超えて同郷、同年齢の誼で大層親しくさせていただいてきた(実 は私も肺結核患者だった)。様々な局面で奥行きの深さを垣間見せながらも軽妙洒脱なこの人の人柄にぞ っこん参ってきたものの一人だ

▼医薬分業について少し私の感想を述べたい。正直、普通の暮らしの中で薬剤師の力を実感することはこれ までなかった。で、御多分にもれず"医師絶対"の基本姿勢で今日まで来たことは否めない。つまり、長い時 間待って僅かな時間の診察のすえに医師が処方したものを、また薬局へ行ってそれなりに時間を費やしたう えで貰うのは、どう考えても時間の浪費だと考えてきた。医師が処方してついでに薬も渡して貰えばいい、と 恥ずかしながらつい先年まで思ってきていた。今でも時々思わぬこともない。それは調剤薬局といいながらい わゆる調剤をしているのか。単なる出来合いの薬を棚から探し出すにしては随分と時間がかかるではないか、 などと疑問を感じてきたからだ。本当に医師と薬剤師が対等に分業してやっていけるのか。だいたい、医師が 処方したものを探し出すだけではないのか、などとかなり辛辣で傲慢な見方をしていたのである。それがこの 本を読むと一変した。種明かし、謎解きを読まない人にしてはいけないので控えるが、私の積年の疑問がほ ぼ解決した。ただ、山本さんにここまで期待されたうえで、本来のあるべき薬剤師の姿を明示された結果、 現実の薬剤師さんたちの仕事ぶりがそれに見合ったものになるかどうかについては、いささかの不安と不審が 残るとだけは言っておきたい。つい先日も薬剤師資格を持たない人に、調剤させていた薬局の存在が報じ られていたことだし。(2015・5・13)

記事 " 東京財団" 2015年05月29日 13:50

日米両国に見る医療・介護政策のゆくえ〜大いなる相違から共通の未来へ〜 - 冨田清行

日本と米国の関係は、外交上の重要な二国間関係であるのみならず、日米間では多くの面で共通した課題 を有している。今年の一般教書演説に象徴されるように、オバマ大統領は米国の経済回復に大きな力を注い でいると同時に、安倍首相も「三本の矢」に象徴される強力な経済政策を志向している。医療を中心とするヘ ルスケア分野も日米両国それぞれにおいて、重要政策としての地位を占めている。医療については、その費用が 米国ではGDP比で17%を超え、経済全体の約5分の1を占める巨大な領域となっている。日本も現在、40兆 円に迫る医療費支出を行っており、社会に大きなインパクトを与えている。

医療制度を巡っては、日米両国間において、その歴史的背景も考え方も大きく異なり、そもそも比較の対象に ならないという見方もあるが、医療費の膨張にどう対処するかという点も含め、実は共通する課題は多い。米国 では近年、医療費の伸びが記録的に鈍化しているが、それでも医療費膨張をどのように抑制すべきなのか、そ の議論が続いている。また、日本では今後も加速する高齢化に対して、どのように医療サービスの提供を持続 可能なものにするのか、特に財源を巡って、長年議論が繰り広げられてきたが、消費税率引き上げ後の具体的 な姿は見えてこない。

医療、ヘルスケアは、日米両国のそれぞれの国民にとっての大きな関心事項である。日本では各種世論調査で、 常に医療・介護問題は国民の関心事項として上位に登場し、米国においても直近の国政選挙である2014年 の中間選挙に関する世論調査で、投票に際しての優先順位について米国民に尋ねると、ヘルスケアは雇用環 境に続く2番目に位置付けられている[i]。

日本では、2015年に予定していた10%の消費税増税を巡り、2014年末に議論され、衆院解散、総選挙を経 て、税率引き上げの延期が世論として納得された形となっている。

米国の医療制度は、米国社会を二分する激しい議論を経て、オバマ大統領が実現した「Patient Protect and

Affordable Care Act」、いわゆる"オバマケア"が、着々と社会に浸透しつつある。

日米ともに、医療・介護、ヘルスケア(以下「医療・介護」)に統一して表記する)に関しては、激しい政治的争 いの中で扱われる課題となっている。それは医療・介護が、ほぼ全ての国民に影響する問題であること、そして 数多くの利害関係者が存在すること等から生ずる現象である。激しく、そして、複雑な利害調整の結果、大小 問わず何らかの改革が実施される度に、制度は巨大化し、かつ、複雑化していくのが当然の流れになっている。 日米両国において、制度の複雑化は税制分野でも指摘されるが、医療・介護は税制とも密接に関係している こともあり、両者の関係は更に複雑化に拍車をかける状況となっている。

前述のとおり、日米間における医療・介護に対する考え方や環境、背景は大きく異なっていることから、日米双 方の社会における医療・介護の役割や構造にも多くの違いがある。しかし一方で、多くの共通点も存在するの も事実である。

1.医療費の膨張

医療費が膨張していることは日米共通の課題である。

 

日本において、国全体の医療・介護費用が毎年膨らみ続けるのは、社会の高齢化に伴う自然増だから仕方  がない現象だと考えられがちである。そうすると、高齢化に対応するために財源を増やし続けるか、それが出来  なければ、強引な歳出削減以外に有効な手段が見つからなくなる。

 

しかし、日本の医療・介護費用、特に医療費の増加の原因は、高齢化も要因の一つであるが、医療技術の  発展や投資(病床数)の問題など、多くの要素が複合的に関係している。政府は、医療費の増加の要因を、  調剤薬剤費、入院医療費、介護費と分析し[ii]、また、今後2025年度までの医療介護費用の伸びとして、  その約9割が後期高齢者医療と介護との見通しを示し、年率5.9%増のうち、高齢化要因を年3.1%増と試  算している[iii]。他の要因も無視できないものの、政府は費用の伸びに対して高齢化が大きな要因を占めて  いると分析している。

 

一方、米国においても、近年、高齢化に対する懸念が示されつつある。特に、ベビーブーマーが年金受給者  層に入るようになったことから、そのような意識が出てきたが、高齢者向けの公的医療保険である、メディケア  の財政に対する影響も指摘されるようになっている。

 

米国ではGDP比で見て世界一の医療支出となっており、1960年に5.0%だったGDP比国民医療費が197  0年に7.0%、1980年に8.9%、1990年に12.1%、2013年に17.4%と推移している[iv]。

 

なお、医療・介護費用が増えること自体が直ちに問題となるわけではない。例えば、医療費が増加しても、  公的保険財政を支える保険料負担、自己負担、および公的負担(税収)の増加が揃えられるのであれば、  基本的に財政上の問題は生じない。実際、日本においては、保険料率の上昇、高齢者の自己負担割合  の見直しなど、保険料負担、自己負担ともに増加傾向にある。さらに公的負担割合も次第に拡大している  にも関わらず、それでも将来の伸びに対して賄いきれないのではないか、と不安視されている。また、財政再  建との関係上、公的負担割合をどれだけ増加できるのか、ないしは、そもそも現状をいつまで維持できるの  か、という不安も常につきまとっている。今後、どこに負担を求めるのか、又は、給付を抑制するのか、さらには、  その両方を実施できるのか、その論争が続いている。

 

多くの国民が公的保険ではなく民間保険に加入している米国では、医療費の膨張は、公的負担の問題も  さることながら、医療受診費用や医療保険料の上昇を招き医療へのアクセスを著しく阻害する要因となるこ  とから、阻止しなければならない事態である。

 

医療・介護費用の増大は多くの問題を起こす。しかし、何が医療・介護費用を増加させているのか、その基  本的なコンセンサスを得なければ、負担の増加や給付の削減に対する国民の理解を得ることは難しく、また、  放置すれば医療・介護の提供そのものに影響することになる。

2.費用を抑制する方法

 

費用の抑制に関しては、これまでもその対策が実施されてきた。その手法は、公定価格である診療報酬の  管理、投資制約としての病床数管理、医師等の医療プロフェッショナルの定員管理など、基本的に総枠管  理的手法である。特に、2002年度以降5年間に亘り、国の一般会計1.1兆円分の医療費抑制を実現した  ことを踏まえて、2007年度以降も年2,200億円の削減が継続されたが、これが医療崩壊を招いたとして医  療現場から猛反発があったことは記憶に新しい。当然のことながら、費用の抑制は現実の医療・介護のサー  ビス供給に直接に影響する。

 

世界一の医療支出国である米国においても、費用の抑制を放置していたわけではない。その手法の一つが、  HMO(Health Maintenance Organization)である。HMOは、1970年代以降に注目を浴びた、主に民  間医療保険会社主導で医療費を管理する構造であるが、その費用抑制の管理の行き過ぎが患者、利用  者の不満を招いたという、その悪影響の部分について日本ではよく知られている。にもかかわらず、HMOが  普及した背景として、国民の多くが自分の勤務する会社が提供する医療保険に加入しており、保険料を  抑制したい雇用主と支払医療費を抑えたい保険会社の利害が一致していることが挙げられる。

 

元来、米国では医療制度に対して政府の介入を最小限に止める政策を志向してきたために、政府による  費用コントロールも最小限に抑えられてきた。この点は、国民皆保険の不存在とともに、他の先進諸国との  大きな違いであった。なお、オバマケアは医療保険の適用拡大が目玉の一つであるが、実は費用抑制につ  いてもマクロ、ミクロ双方のレベルで挑戦しており、これまでの医療政策から大きく変化した点である(ただし、  これが実際に機能するかどうかは別の問題として存在する)。

 

大きく言えば、これまで費用抑制に際して、日本では公共政策上の管理、米国では費用を支払う保険会  社の経営上の問題とすることができるが、その両者とも万全のものとは言い難い点は共通していると言える。  公的な医療保障が大きい国から見れば、費用を抑制することによって、財政上の負担は軽減されるものの、  その抑制の仕方によっては、サービスを提供する体制に影響することとなる。また、公的・私的を問わず、医  療費を抑制しなければ、医療サービスの購入費用が上昇することとなり、結果として費用面でサービスへの  アクセス障壁が上昇してしまう。

 

費用抑制の問題は極めて難しい課題であるが、根本的な問題としては、医療・介護における適正費用を  どう構築するか、ということになろう。この「適正費用」が特に、医療サービス提供者と患者、利用者の間だ  けでは決定されないのが、通常の商品・サービスとは異なる点である。多くの国において、保険者や政府が  介在して、医療介護分野の財・サービス価格決定への影響力を及ぼしている。この適正価格をどうやって  決めていくのか、日本では厳しい財政状況も反映し比較的低い水準の公定価格で推移する一方、米国  では同じ地域、同じサービスであっても、病院や医師によって価格が異なることがあり、価格決定において  医療機関と保険会社の交渉が重要な要素となる。

 

医療・介護の値段について、今となっては、完全に市場に任せることも、完全に行政で決定することも万全  ではないと理解しつつも、どのような形で価格を決めることが需要と供給の双方を満たすことになるのか、日  米双方にとって共通の悩みである。

3.サービスの質を向上させる方法

 

医療費の膨張に対抗するため、費用の抑制が試みられるが、誰もが満足する有効な仕組みがなかなか  見つからない。費用抑制ばかりを追求すると、当然ながらサービスの質への懸念が生じる。そのため、政策  立案者にとっては、医療費抑制とサービスの質維持、向上を同時に達成するための方策が最大の関心  事である。

 

医療・介護においては、財政の観点だけでは質の問題は解決できず、医療・介護サービスの提供体制の  構築も同時に考えることが必要である。このように書くと簡潔な話であるが、これが極めて困難である。  日本においては、提供体制を左右する政策として、行政の観点から有効なツールを使いこなしている。診  療報酬である。医療においては2年毎、介護においては3年毎に個々のサービスに対して価格(保険点数)  を上げ下げすることで、政策的に促進する診療行為、逆に抑制する診療行為を作り上げることができる。  つまり、価格によるインセンティブ機能が強力に発揮されている。しかし、個々の診療行為の価格を決定  することは、個々の診療行為に行政が介入することを意味することでもあり、あまりに強力な政策手法でも  ある。 また、インセンティブの発揮が制度立案時の想定とは異なる方向、あるいは予期しない方向に働く  こともありうる。

 

診療報酬は、前述のとおり、公定価格で保険適用下においては統一料金という性質に加え、日本におい  ては、出来高払いが中心となっており、個々の診療行為の積み上げの結果として、費用が算出される。米  国においても、一般に医療サービスの支払は出来高払い(Fee-For-Service)が中心であり、一部の保  険や一部の政府のプログラム(メディケア)で、包括払いのシステムが導入されている。この出来高払いのシ  ステムについては、従前から批判が存在する。つまり、サービス提供者にとって、サービスを提供すればする  ほど、報酬が積み上がることとなり、過大にサービスを提供するインセンティブが発揮されてしまうという問題  である。特に、日本と異なり、米国では一般的な医療の値段が統一されておらず、例えば、同じ地域内で  あっても病院や診療所によって、同じ診療行為に対する値段が違うことがある。日本にいては考えられない  ことであるが、医療を市場原理に委ねるのであれば、値段も異なることがありうるのが自然である。その意味  では、米国と比較すると浮かび上がる日本の特徴は、国民皆保険制度の他、出来高払い制度下におけ  る全国統一料金制度(診療報酬体系)に大きく示されていると言える。

 

この医療・介護サービスに対する支払方法は、日本では現行の出来高払い方式が長く定着している。日  本においても、医療においては、近年になって、包括払いの仕組み等が導入されつつあるものの、他の支  払方法について考える機会はそう多くない。一方、米国でも長年、出来高払いが伝統的な支払方法とし  て定着しているが、医療費の抑制やサービスの改善を促すための手法として、費用の支払方法(提供者  側から見れば報酬の受け取り方法)をどのように設定すれば、それが実現できるのか、という議論が繰り広  げられている。実際、国際比較をすると、欧州各国においても出来高払い制度が見られるが、他の支払  方法も組み合わせて多様化しつつある中、日本の支払制度の相対化を可能とさせてくれる。今後、私た  ちはどのような医療・介護の提供体制を目指すのか、その目指すべき姿を実現するために支払方法の改  革が必要となるのか、そして改革が必要なのであれば、利害調整も含め、どのような議論が必要なのか、  費用の節約と質の向上の両立を目指す今後の医療・介護問題を考えるに当たって、避けては通れない  問題になるであろう。

4.医療・介護を支える土台

 

このように医療・介護は、大きく分ければ、サービスの提供体制とそれを費用面から支える保険制度の二  つの大きな仕組みが相互に影響し合って存在している。一方で、そのどちらの制度も高度に専門化し、  また、複雑化が進んでいる。医療・介護サービスは診療科目の専門分化やケア施設の機能分化などが  進み、日本においては、患者が受診する医療機関を自由に選択できる、いわゆるフリーアクセスの下、  自分の症状に関係する(と思われる)専門医に直接出向いて、診察を受けることが可能であり、むしろ、  それが一般的である。そして、症状に合わせて、外来、入院、リハビリなど、患者自身が施設間を移動す  ることが一般的である。

 

また、保険について見ると、日本の公的医療保険は国民皆保険の下、働き方や年齢によって加入する  保険者が異なる。そして、職場が変わったり、年齢が変わったりすることによって、別の保険者に移動する  ことも、日本では普通のことである。

 

ここで、一つの疑問が沸いてくる。生まれてから、今までに至る自分の健康に関する記録は誰が持ってい  るのだろうか。生まれてからおおよそ小学校入学前までは母子手帳に健康に関する記録が集約される。  さらに、その後の予防接種などの際に重要な情報として活用される。しかし、母子手帳に記録されなくな  った後の情報は、基本的に、受診した医療施設、処方箋を受け取った薬局、保険者などに分散してい  る。健康記録の電子化が進み、集約するインフラは整いつつあるものの、必ずしも制度としては情報を集  約する環境は整っていない。自分の健康に関する記録は自分が一番良く知っているはずであるが、私た  ちの多くは医療やケアに関しては素人であり、さらにそれを詳細に記録している人は多くないと思われる。  だからこそ専門家である医師や看護師、薬剤師などの力が必要なのであるが、その専門家の間にも自  分の健康に関する情報が集約されているとは限らない。

 

多くの先進諸国は、家庭医やかかりつけ医を制度として有している。英国のGPはその代表であるが、米  国においても、家庭医の存在は一般的である。しかし、米国においても、日本と同様に、「制度として」、  家庭医を位置付けているわけではない。米国における、いわゆるプライマリー・ケアのシステムは、保険者  側の要請として、又は、医療グループによるサービスとして存在し、公的な制度として、家庭医への登録  義務やゲートキーパー機能が設置されているわけではない。日本と米国は、ともにプライマリー・ケアを制  度化していない国であり、欧州各国を含めた先進諸国間で比較すると、プライマリー・制度化している英  国や北欧諸国と大きく異なる特徴を示している。

 

このような文脈の中で考えると、長期間に亘って、患者との関係を築く家庭医や看護師等を中心とした  プライマリー・ケアを制度として志向する動きは、日米双方において同時に見られるのは奇遇ではない。  つまり、日本では「地域包括ケア」、米国では「Accountable Care Organization(ACO)」を中心とした  動きが、ほぼ同時に進行している。

 

日本の地域包括ケアは、大雑把に言えば、社会の高齢化に応じて、様々なケアのニーズに対して、地  域内で連携して、対応する動きである。これまで、診療報酬や計画行政といった「中央」が中心となって  展開してきた医療政策において、「地域」がケアの提供体制を考える上で大きく前面に出た形となってい  る。

 

米国のACOは、少し複雑な経緯を辿っている。詳細は別途の回で述べる予定だが、これまで実現しな  かった費用の節約と質の向上の両立を目指すために米国内で新たに進んでいる取組である。このACO  は、それまでのHMOとも似ているが、ACOはケア提供者自身が中心となって、地域のネットワーク化を  進め、プライマリー・ケアを促進することで、患者中心のケアを追及している。このように、今現在の米国  で起きていることは、多くの目的をACOという一つの概念に集約して、医療の提供体制を改革する新  しい動きである。そして、これは保険改革で注目を集めてきたオバマケアを構成する、もう一つの柱でも  ある。

5.日米間の医療・介護政策から世界を見る

 

このように、日本と米国では、国の成り立ちも医療・介護に対する考え方も大きく違っていると思われて  きたが、今、二つの国で起きているのは地域を土台として医療・介護の将来像をどう構築するか、という、  同時期に同じ展望を抱いていることである。もちろん、具体的な制度や、それぞれの制度が抱えている  背景や経緯には相違点が多い。

 

しかしながら、日米両国がそれぞれ、「今現在」という同じ時期に、「費用の抑制と質の向上にいかにし  て立ち向かうか」という同じ問題意識に立ち、「生活の基盤である地域」という同じ着眼点に立って、改  革を進めていることは、あまり知られていないことではないだろうか。お互いを良く知ることで、双方の改  革に良い効果をもたらすことになるのではないか。日米間の医療介護、ヘルスケア政策の違いだけを強  調するのではなく、それぞれの改革に向けた努力を理解する時期に来ていると思う。

 

今後、複数回に亘り、米国の医療政策の動向、ACO、改革の展望などを述べたいと思う。

* 筆者は2014年10月から米国のシンクタンク「ジャーマン・マーシャル・ファンド」の客員研究員として活 動し、現在もワシントンDCを拠点に、オバマケアの実施により変容する米国の医療政策を中心に研 究を続けている。今後、米国の医療政策の現状やACOの動向などを報告する予定である。

[i] Pew Research Center "Chapter1:The 2014 Midterm: Congressional Vote, Top Issues"

[ii] 内閣府「平成26年度 年次経済財政報告」(平成26年7月)

[iii] 財政制度審議会財政制度分科会 財務省提出資料(平成26年10月8日)

[iv] Centers for Medicare and Medicaid Services

1月の調剤医療費  前年同月比3.5%増、単価微減も枚数増加

[ 5月29日 19:46 ]

 

厚生労働省は29日、2014年12月と15年1月の調剤医療費の動向(電算処理分)を公表した。1月  調剤医療費は5974億円(前年同月比3.5%増)で、このうち技術料は1469億円(4.0%増)、薬剤  料は4496億円(3.4%増)。処方箋1枚当たりの調剤医療費は8962円(0.7%減)とわずかに減少した  が、処方箋枚数(電算処理分)が6666万枚(4.2%増)と伸びた。

 

1月の処方箋1枚当たりの技術料は2203円(0.2%減)、薬剤料は6744円(0.8%減)だった。技術料  の内訳を見ると、調剤基本料(基準調剤加算、後発医薬品調剤体制加算、在宅患者調剤加算な  どを含む)が639円(2.2%増)、調剤料が1016円(0.8%減)、加算料が163円(3.0%増)。薬学管  理料は386円(3.6%減)だった。

 

内服薬処方箋1枚当たりの薬剤料5538円(2.0%減)を「処方箋1枚当たり薬剤種類数」「1種類当  たり投薬日数」「1種類1日当たり薬剤料」の3要素に分解すると、それぞれ2.93種類(0.9%減)、  21.7日(0.3%増)、87円(1.4%減)となった。

●14年12月は6.0%増

 

一方、14年12月の調剤医療費は6602億円(6.0%増)で、技術料は1615億円(6.3%増)、薬剤  料は4976億円(5.8%増)。処方箋1枚当たりの調剤医療費は9130円で0.4%減ったが、処方箋枚  数(電算処理分)は7231万枚で6.4%増えた。

 

処方箋1枚当たりの技術料は2234円(0.1%減)で、調剤基本料が640円(2.3%増)、調剤料が  1031円(0.9%減)、加算料が176円(3.8%増)、薬学管理料は387円(3.5%減)。薬剤料は  6881円(0.5%減)だった。

 

内服薬処方箋1枚当たりの薬剤料5664円(1.8%減)の3要素分解は、2.95種類(0.7%減)、  22.3日(0.2%増)、86円(1.3%減)となった。

●後発品シェアは58%超え

 

後発品の使用割合(数量ベース)は、14年12月が57.6%、15年1月が58.4%で、いずれも前年同  期に比べて9.0ポイント上昇した。

薬食審部会  スイッチ化に「消費者の意向」導入を了承 議論透明化へ「評価検討会議」も新設

[ 5月29日 21:02 ]

 

厚生労働省は29日の薬事・食品衛生審議会薬事分科会要指導・一般用医薬品部会(部会長  =橋田充・京都大大学院教授)に、医療用医薬品から要指導医薬品・一般用医薬品へスイッチ  化する際の新たな評価システムの導入を提案し、了承された。スイッチ候補品目の選定に当たって  は、学会や団体、消費者など多方面から要望を随時募集する。スイッチ化の議論に透明性を確保  するため、提案者からのヒアリングなどを行う評価検討会議も新設する。来月開かれる薬事分科会  に報告し、最終決定する。消費者のニーズを吸い上げることで、スイッチ薬の開発促進を目指す。  学会や団体、消費者などがスイッチ候補品目を要望するに当たっては、▽医療用としての使用実  績▽副作用の発生状況▽海外での使用状況―などの情報を収集し、資料として提出する。収集  する情報の具体的な項目は今後検討する。

 

その後、要望品目リストを学会や専門家などの意見も聞きながら作成し、新たに設置する「医療  用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(仮称)」に諮り、候補品目としての適否  を議論する。提案者からのヒアリングも行い、候補品目の選定は構成メンバーによる全会一致とす  る。議論の結果は公表し、パブリックコメントを募集する。評価検討会議の意見やパブコメの結果を  踏まえ、最終的には要指導・一般用医薬品部会で候補品目としての適否を議論し、決定する。  評価検討会議は公開で、メンバーは医学・薬学の専門家や消費者などを想定。来月開かれる薬  事分科会への報告後、関係する学会や団体と調整しながら選定作業を進める。厚労省はメンバ  ーを20人以内とする方針で、今夏をめどに評価検討会議の設置を目指す。  厚労省はこのほかの評価システムとして、消費者がスイッチ薬などを安全に使用できるかどうかを医  薬品の開発段階で調べる「添付文書理解度調査」の導入も提案した。

●日医・鈴木委員、生活習慣病薬のスイッチ化に重ねて反対

 

同日の会合で、鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、米国など諸外国と日本では医療制  度が違うことや、消費者がOTCやスイッチ薬の現状に特に要望や不満を持っていないという調査デ  ータがあることを紹介し、「国民は現状の仕組みに満足している」と指摘。OTCの使用で死亡例が  出ていることも挙げ、「この仕組みの慎重な運用が求められる」と、あらためて生活習慣病薬のスイ  ッチ化には反対した。神田敏子委員(元全国消費者団体連絡会事務局長)も、スイッチ化に当  たって安全性の確保を求めた。

 

生出泉太郎委員(日本薬剤師会副会長)は、「本当にふさわしいOTCが新たに誕生してくるので  はないか」と述べ、スイッチ化の議論が進むことを期待した。

【関連資料】薬事・食品衛生審議会_要指導・一般用医薬品部会

アレジオン10」など第2類への変更了承  薬食審・安全対策調査会

[ 5月29日 17:42 ]

 

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(座長=五十  嵐隆・国立成育医療研究センター総長)は29日、製造販売後調査が終了した一般用医薬品4  製剤のリスク区分を審議し、「アレジオン10」(成分名=エピナスチン塩酸塩)、「アレギサール鼻炎  」(ペミロラストカリウム)、「ストナリニ・ガード」(メキタジン、高用量製剤)の鼻炎用内服薬3品目に  

ついて、いずれも第1類医薬品から第2類に変更することを了承した。

 製造販売後調査では、薬剤師や使用者からの自発報告を集計した一般調査で、重篤な副作  用がアレジオン10で2例(てんかん様発作、肺炎)、アレギサール鼻炎で1例(急性腸炎)報告され  た。

 

参考人として意見を述べた日本医科大付属病院耳鼻咽喉科の大久保公裕教授は、アレジオン  10では抗ヒスタミン作用でてんかん様発作が誘発されるものの頻度は低く、同剤の肺炎やアレギサ  ール鼻炎の急性腸炎は薬理作用から考えて医薬品との関連性は低いとの見解を示し、3剤とも  「副作用は軽微で、類薬と同様に第2類に変更することは可能」と述べた。委員もこれに賛同した。

●エルペインコーワは指定第2類に

 

同日の調査会では、解熱鎮痛薬「エルペインコーワ」(イブプロフェン・ブチルスコポラミン臭化物)を  第1類から指定第2類に変更することも了承された。

 

参考人の矢野哲・国立国際医療研究センター産婦人科科長は「報告された副作用は予想され  た通りのもので、重篤なものもなかった」と指摘。イブプロフェン単剤と同様に指定第2類への変更  は可能との見解を示し、委員からも異論は出なかった。

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